福岡県トライアスロン連合
2003宮崎シーガイアトライアスロン大会 大会報告

宮崎シーガイア大会 福島智和、田中敬子健闘!

FTU副会長  野口隆平

 シーガイアのオーシャンドームが閉鎖されてどうなることかと心配していた。しかし、そこはさすがに押川会長をはじめとする宮崎県連合の人たちだ。すばらしい代替場所を用意してくれて、しかも本来のトライアスロンができる本物の海だ。会場はみやざき臨海公園につくられた人工ビーチ「サンビーチ一ツ葉」。シーガイアは競技説明会といまどきこんな豪華なパーティはないと思われる前夜祭の会場になった「ワールドコンベンションセンター サミット」に名を残しているだけで、大会そのものはもう「シーガイア」ではなくなっている。

 人工ビーチだから防波堤でかこんでつくってあるが、もちろん外海につながっていて、しかも太平洋だ。前日、当日と波が高く、ドドーッときた。エリート以外のカテゴリーは防波堤よりにコースを変更したが、トップ選手にとってはこのぐらいの波はなんのことはないらしい。もとのコースで木の葉にように揺れたが観るものを堪能させてくれた。

 今年のエリートの部は本邦初といわれる形式でおこなわれた。スイム、浜に平行に行って来いの250m。バイク、1周3qの2周回、6q。ラン、会場周辺500mを2周回の1q。これをトップがフィニッシュしてから15分後にスタートで3セットやる。苦しそうだ。でも見ている側にとっては本当におもしろい。各セットで1位と2位とだけに2点差をつけて3位以下は1点ずつ減って、10点、8点、7点・・・の順。3回の合計点で順位を争う。

 この大会の位置づけはJTUの主催大会でも指定大会でもない単なる一地方大会にすぎないが、どうしてこれだけの選手がたくさんよべるのかというぐらいすごいのが来ていた。招待選手は山本淳一、山本良介、中込英夫、中川絵里、枇杷田深雪、下村真紀、我らが関根明子、志垣めぐみ。一般参加が日本食研の仁井晶一、再び我らが高浜邦晃、児玉誠治、山本祐樹、三たび我らが福島智和、宮崎杏菜、四たび我らが田中敬子。昨年優勝している中川絵里がトップにきて、オリンピック選手の関根明子が女子の4番手にしかならないという華やかな顔ぶれだった。

 レースは男子は第1セットが良介、淳一、仁井、福島、高浜、中込の順。第2セットは良介、淳一、仁井、高浜、福島、中込。第3セットでやっと淳一が雪辱。淳一、良介、仁井、福島、中込、児玉と続き高浜が沈んだ。合計で良介、淳一、仁井、福島、高浜、中込となった。われらが福島選手は健闘。スイムあがりでは淳一、良介のあと必ず3番手についていた。地元の行橋・小倉で一人でよくがんばっている。高浜選手はスイムが苦手な分この距離では勝負にならなかったが、スイム得意の仁井さんのもとにいるので今後を期待している。

 女子は関根選手が実力どおり3セットともものにした。第1セットが関根、下村、田中、志垣、枇杷田、中川、宮崎。第2セットは関根、中川、下村、枇杷田、宮崎、田中、志垣。第3セットが関根、下村、中川、枇杷田、志垣、宮崎、田中だった。でも、下村選手も肉薄している。先はまだわからない。

 田中敬子選手は沖縄に行ってまだ日が浅いが強くなっている。第1セットは関根選手、下村選手とならんであがってきた。そのままの順でランフィニッシュ。あとに期待をもたせたが、第2セットはほかが意地を見せた。第3セットはバイクスタートで転倒したのでこの順になっただけ。このメンバーと互角に戦ったとみていい。第1セットで3位ではいってきたとき、4位と差がついていたので、あと2戦あるからみんな「流せ、流せ」と言っていた。でも彼女はそんな声には聞く耳をもたず全力でフィニッシュした。わたしもフィニッシュ後に、あとのことを考えて力を抜きなさいと言ったのだが、あとでバカなことを言ったなあと思った。若いんだし、それに彼女のこの律儀さを我々を応援しているんではないかと。敬子ちゃん、ごめん。これからも全力疾走・・・。

 もうひとつ特記。レース開始前にライフセーバーが救助の実演をやって見せてくれた。岩井副理事長とならんで見たが、これがまたすばらしかった。沖の荒波に揺れる溺水者、それを救助に向かうライフセーバー。ボードに乗せるテクニックの見事さと波をかきわけることの何と速いことか。押川実行委員長が表彰式で感謝の言葉を述べられたが、彼らは一日中水につかっている。わたしたちはこういう人たちの陰の力で大会が成立していることをもっと肝に銘じるべきだ。そうすればちょっと注意されたぐらいでキレたりはできない。いたんだ、若いのがひとり・・・。

 第1回のときはFTUからもたくさん参加してくれたが、年々地元中心の大会になってきている。しかし、全国レベル、世界のレベルがリゾート気分で手近に観られる大会なのでみなさんにはぜひ見に行っていただきたい。

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