福岡県トライアスロン連合
第4回筑後川トライアスロン 大会報告

炎天下に身も心も燃える!

大会進行係/FTU副会長  野口隆平

 今年の夏は天候不順で涼しかったのに、お盆をすぎてから猛暑がもどってきた。その暑さが9月にはいったいまもなお続いている。大会当日の曇り空も時間とともに日差しがだんだん強くなり、一昨年なみの炎天下のレースとなった。一昨年の大会も暑さ対策で苦労した。そして去年は一転して涼しく、のど元を過ぎればすぐ忘れる楽天家のトライアスリートが多いこの大会のスタッフは、一昨年を思い出せ、思い出せと自らに言い聞かせ、今年も水と氷だけはこれでもかというぐらい運んだ。実行委員長の岩井さんは、当日はそれぞれの分担にまかせきりで、自分は要である氷運びに専念。原チャリにバケツをぶらさげてエイドステーションを何度となく往復した姿を見た選手も多かっただろう。お陰で重症者はいなかったが、それでも熱中症でメディカルテントで手当てを受けた選手は二十数名もいた。真夏のレースの恐さを一歩手前で押しとどめたのかな、という印象の大会だった。

 レースは昨年に続いてきてくれた福井英郎選手の圧勝。地元の対抗馬、福島智和選手が「和歌山大会」に遠征していたこともあって敵なしの感。唐津の「虹の松原大会」には同僚の山本淳一選手がおなじみだし、そして「筑後川大会」には福井選手だ。日本を代表するトップ2が、参加選手もダブるこのふたつの大会にきてくれるというのはやはり何かがあるのだろう。レースとしてのレベルをあげる、それが地方の大会の向上につながるといのがかれらの信念だ。われわれもただの草レースに終わらせない。草レースなら日本一の「久留米大会」があるのだから、それとは明らかな一線を画すためにはやはり何かを仕掛けなければならない。彼らの出場もその一法だ。そして実際にきてくれるということは、九州人のもつ特有の情熱とか情念のようなものが伝わっているのかな。福井選手のホームページ(www.try291.com)に今年のスケジュールが載っている。来年のアテネオリンピックをめざしてワールドカップとITUのポイント大会がずらっとならんでいるのに、そのなかにローカル大会でたったひとつ「筑後川大会」がある。

 そして、その橋わたしをしてくれているのが白戸太朗さんだ。年齢からいえばもうお楽しみレースになってもおかしくないのに、堂々6位に入賞した。スイムは、断トツの福井選手に続く第2グループであがってきて若手をおびやかした。この人のメディアへの露出度、文章力を考えれば、きてさえくれれば必ず何かをアピールしてくれることになる。そういう意味ではとにかく参加して、見てほしい、感じてほしいと思っている。その役割を「フェスタ」でもになってもらうことになった。期待している。

 今年は筑後川河川敷の水門工事と道路増設工事が長雨の影響で遅れ、突貫工事にはいったもののサイクリングロードの修復が大会までにまにあうのか最後まで気をもんだ。そういう折衝をふくめて大会スタッフはいろんな仕事をしている。選手の皆さんも少しでもいいからそのあたりまで思いをめぐらしていただければありがたい。

 まあ、とにかく無事に終わった。前日のキッズの教室を主宰してくれた白戸選手と福井選手は、この日はキッズの表彰式でプレゼンターになって、メダルをかけて記念写真にいっしょに入ってくれた。予算が少なく、副賞といえばかねふく様からご協賛いただいた明太子だけだったが、この写真こそはほかのどの大会にも負けない記念品だと自負している。本当にありがとう。

 そして、長崎、佐賀の両県とFTUから派遣してもらった質の高い審判団の皆さんと、朝早くからそれぞれの持ち場でがんばっていただいたボランティア・スタッフの皆さんのお陰でいいレースになった。心から感謝申し上げます。

 それに、「合川ひかり太鼓」と「あいかわアンビシャスキッズ」の子どもたちが演奏と演舞を披露してくれた。いつも思うのだが、太鼓の響きはスタートのときのはやる気持ちにとても合う。トライアスロン、和太鼓、よさこいソーランと、演じる種目はちがっても子どもたちのひたむきさに変わりない。それがわれわれを涙ぐませるほどピュアな世界にいざなってくれる。これにも心から感謝!

 岩井実行委員長は来年、節目の5回目の開催をめざすつもりだ。この人の情熱にひっぱられてなんとかやってこられた大会なのだが、いちばん協力していただきたいのは選手の皆さんだ。とにかく参加してほしい。参加数が少なければやめるしかない。それはいまどの大会にも言えている。ぜひ来年もよろしく・・・です。

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